ツカサ工場跡地

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「オールスターズメモリーズ」を観てきた

2018年10月29日、僕は映画館へ観に行くのが恥ずかしくてずっと敬遠して来たプリキュアの映画をついに始めて観に行きました。

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ふたりはプリキュア」が始まった時は小学一年生だった僕が今こうして20歳を迎えてプリキュア15周年の映画を見に来ていると言う事実だけで、映画を観る前から既にある種のカタルシスを感じていました。プリキュアと一緒に大人になれたんだ。俺は。

 

 

 

結論から言うと、HUGっと!プリキュアふたりはプリキュア  オールスターズメモリーズ」プリキュアに関する想い出が少しでもある人には是非見て欲しい映画でした。

何故なら本作(以下「映画HUG」)は、今までプリキュアに注いだ時間と感情が報われる、そんな映画だったからです。

プリキュアが好きな人、好きだった人、好きかもしれない人、全員劇場でこの映画と出会って欲しい。

そして是非この「祭り」「体感」して欲しいのです。

 

 

 

「キラキラ大切な想い出が、皆が、私を支えてくれてる!だから、何があっても踏ん張れる!踏ん張ってみせる!!」

 

 

 

プリキュアは、死なない

映画HUGでは、使われないまま壊れてしまったカメラの幽霊「ミデン」が、プリキュア達の想い出を奪い取り自分だけの物にしてしまいます。

その結果、想い出を奪われたプリキュア達は幼児になってしまいました。

 

 

映画の中盤で、ハリーは幼児になってしまったプリキュア達を元の姿に戻す方法を一生懸命考えます。

幼児になったプリキュア達は、大切な人から想い出を分けてもらう事で元の姿に戻る事が出来ます。しかし、未来から来たハリーとはぐたんにはプリキュア達全員との想い出が無いのです。

 

万事休す!と思ったその時、はぐたんがいきなり第四の壁を叩き始めました。

下手なホラー映画見てる時よりもビクッとしてしまいました。

 

「そうか!まだ君達がいた!」

ハリーが叫びます。

「おーい!映画を見に来てくれてる皆!皆はどのプリキュアが好きや?キュアエールか?キュアアンジュか?プリキュアはたっくさんたっくさんおるで!テレビの前で感じた事を、格好良いと思った所を、好きだった場面を、ミラクルライトに込めてプリキュアに伝えて欲しいんや!1人じゃなくてええ。今まで好きだったプリキュアの名前、全部呼んだってくれ!!」

 

 

俺はね、俺は、スマプリのみんなが大好きで、Goプリの変身シーンが大好きで、みらいとリコとはーちゃんが大好きで、49話が大好きで、キュアエールとキュアマシェリが大好きで、辛い時も苦しい時もなりたい自分になろうと努力する皆が大好きで、憧れてるんだよ。皆みたいになりたくて、願って、祈って、それで今ね、今…………

 

 

プリキュアの世界とコミュニケーション出来てる!!!!

 

プリキュアの世界と繋がれた!!!!!

 

 

「フレ!!フレ!!プリキュア!!!!

 

 

「慰霊」としての映画HUG

映画HUGを観ている途中、僕はかなり「鎮魂」に近い物を感じていました。

鎮魂とはつまり、死者への誠意であり、同時に、今を生きる者へ送る祝福でもある訳です。

 

ミデンはプリキュア達から奪った想い出を集める事で、空っぽな自分の想い出を満たそうとします。

プリキュア達はミデンに対して少なからず敵意を覚えていましたが、野乃はなだけは、キュアエールだけは最後までミデンを見捨てようとはしませんでした。

映画HUGとは、キュアエールになるに至るまでの野乃はなの過去ありきの物語です。

 

 


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「私の中から出ていけ!」
「嫌、私は話したいの!ちゃんと話してくれるまで、出ていかないから!」

 

不条理な事や理不尽な事を経験して心の中が空っぽになってしまう事や、社会や隣人や運命を呪ってしまいたくなる事は、現実でもしばしばあります。

そんな時、僕達の変わりに不条理や理不尽と戦ってくれるのがプリキュアです。

 

プリキュアは、何時だって今を生きる僕達の希望になってくれる存在なのです。


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「ようし!皆行くよ!」

 

プリキュアが15年間育んできた全ての想い出、オールスターズメモリーズの力が劇場の画面を所狭しと駆け巡る様子は本当に夢の様な瞬間で、ミラクルライトが観客と映画を繋いでくれた瞬間だったからこそ、皆の想い出の力で戦い動き回るプリキュア達の姿からは説得力と生命力を感じました。

 

プリキュアは変わって行く。プリキュア以外の物も変わって行く。

それでも、だからこそ、プリキュアに輝く未来を抱きしめて欲しい。

ありがとう。大好きだよ。これからもよろしくね。

 

過去を肯定し、未来を抱きしめる。

映画HUGは、プリキュア達の生命賛歌」なのです。

 

 

「美味しい物食べたり、買い物行ったり、はぐたんのお世話したり、ピクニック行ったり、泣いたり、笑ったり、怒ったり、驚いたり、キラッキラの眩しい想い出、今からたっくさん作ろ!」

 

 

プリキュアは生きている

プリキュアは、おそらくこれからも時代と共に様々な変化を遂げて行くんだと思います。

時にその変化に迎合出来ず、裏切られた気持ちになる事や失望する事もあるのかもしれません。

 

しかし、それでも良いのです。

生きる事は変わる事なのですから。

 

なんでもできる。なんでもなれる。

 

 

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「君の未来は明るいぞ~!」

 

 

 

 

 

 

プリキュアへ。

傷ついて、失敗して、後悔して、それでも生きる事は素晴らしい事なんだって、大人になる事は素晴らしい事なんだって、教えてくれてありがとう。

人はいつだって、誰だって、自分の意思で変わる事が出来るんだって、伝えてくれてありがとう。

この世界は残酷で、どうにもならない事も時にはあるけれど、それでも何度でも立ち上がって、叫んで、祈って、戦ってくれてありがとう。

 

ずっとずっと大好きだよ。